薬膳について

薬膳とは、中医学の知恵を使い、体調に合わせて食材の効能を活かして組み合わせ、作られたごはんのこと。旬の食材を取り入れ、足りないところは補い、多すぎるものは排出し、巡っていないものは巡らせる…といったように、バランスを考えて作ります。

 

病気の治療というよりも予防を重視して(養生)日々いただくものです。薬膳というと、まずくすり臭いイメージを思い浮かべるかたが多いですよね?実際に生薬を使うこともありますが、基本的には旬の食材を組み合わせたもので、スーパーで普通に手に入るもので作れます。生姜、山芋、ナツメグ、シナモンなど、身近な食材の中で生薬に加工されるものもあります。そういった食材はパワーも強いので効果的に取り入れていきましょう。あくまで中医学をベースに考えられていることが前提で、生薬を使用している=薬膳ではありません。季節の薬膳、気・血・津液から考える薬膳、症状別(便秘、感冒…)の薬膳など、大きく3つのアプローチがあります。

薬膳を知るために知っておきたい基本の考え方を2つ。

陰陽

「万物はすべて陰と陽にわかれていて、互いに対立し、かつ影響しあう」という考え方。人間のからだも陰陽のバランスが取れている状態が‘健康’です。薬膳ではこのバランスをとるために、例えば陰が強い冷え性の人は、からだを温める陽の食材をとる、というように考えます。
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五行

「自然界は木、火、土、金、水の5つの要素で構成されていて、この順番で物事は流れている」という考え方。すべてのものはこの五行と関連付けられています。(五季、五臓、五味、五気・・・) ちなみに次の2つが正常な関係。
・木が燃えて火が生まれ、火は灰になって土に返り、土の中から金が生まれ、金が冷えると水が生まれ、水のあるところに木は育つ→相生関係(母と子の関係)
・木は土の養分を吸い取ってしまい、土は水を堰きとめ、水は火を消し、火は金を溶かし、金は木を切り倒す→相克関係(勝てるものと勝てないものの関係)
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